2004年 11月 01日

おかあさんのばか

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ある日突然お母さんを亡くした、古田幸ちゃんという小学6年生の女の子が書いた詩。
その詩に感動した写真家の細江英公氏が撮った、幸ちゃんとその家族の日々。
それがこの「おかあさんのばか」という写真集です。

古田幸ちゃんの詩を英訳したものと、細江英公氏の写真で、
1965年に『Why,Mother,Why?』というタイトルで海外で出版されました。
じつはこれが、その日本語版なのです。
なぜか40年たって、ようやく日本でも出版されることになったそうです。

お母さんを失った悲しみを抱えながらも、日々、お母さんの代わりに家事をこなしていく幸ちゃん。
お父さんと中学生のお兄ちゃんを見つめる視線は、もうほとんど母親のようですらあります。
とはいっても、まだ幸ちゃんは小学6年生。
ときにはお母さんに甘えたい気持ちがどうしようもなく溢れてきます。
そんな幸ちゃんの気持ちが痛いほど突き刺さってくる詩と、細江氏の写真が僕の心を大きく揺さぶるのです。

これは手にとって読んでいただくしかないのですが、
感動の押し売りとか、お涙頂戴とか、
そんなものを微塵も感じさせない淡々とした詩と写真の数々に、
静かではあるけれど、大きな感動を覚えずにはいられませんでした。

幸ちゃんは現在、ご主人と二人の子供の4人で幸せに暮らしているそうです。
そんな現在の古田幸さんが、この本の最後にコメントを寄せているのですが、
それがまた感動的なのです。


僕もそうだったのですが、もしこの本のタイトルに強く魅かれたなら、
迷わず実際に手にとって読んでみてください。

「今」だからこそ、この本が出版される意味と価値があるのではないか。
僕は、そんな感想を持ちました。



おかあさんのばか―細江英公人間写真集


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by tai_yo | 2004-11-01 00:21 | 書籍


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